パートナーを見つける
友人を超えた仕事上のパートナーを見つけよう。
誤解を恐れず言ってしまえば結婚相手を見つけるようなものだ。
利害を超えて苦楽を共にできるパートナーが居たほうが、スタートアップという人生の一大事業には取り組みやすい。
僕らの場合は、僕と相方の二人でサービスを回している。
もともとは音楽という共通の趣味でつながった友達だったけど、いろんな運が重なっていっしょに仕事をするようになった。
友達からビジネスパートナーになる、ビジネスパートナーから友達になる、いずれの道筋をたどるにしても結局友達であることに変わりはない。
友達になれないような人と四六時中意見をぶつけ合いたいと思うだろうか?
いっしょにビジネスをやるなら是非次のチェックポイントを確認してみることをおすすめする。
- お金や契約事の話を包み隠さずなんでも言い合えるか?
- 見栄を張らずに意見を言い合えるか(お互いの無知に向き合えるか)?
- あなたができないこと、不得意なことに関して、相手は好んで引き受けてくれるか?
平たく言えばざっくばらんに腹を割って話せるか?ということだ。
完璧な人間なんていない。
そして世界は予測不可能だ。
大事なのはお互いの不完全な部分を補い合っていけるメンバーにめぐり逢えるかどうかだ。
同じ目線で
個人で事業を興すことの本質をシンプルに言い表せば4文字で済む。
「問題解決」だ。
わからないこと、知らないこと、気付いてもいないことにどう対処していくかという難題について根気よく付き合ってくれるパートナーを見つけよう。
パートナーは必ずしも同業者でなくてもいいと思う。
異業種の人でも良いし、なんならクライアントでもいい。
「人事」なんていう堅苦しい(しかも損得勘定の)概念は捨てて、いっしょに旅を楽しめる仲間を探そう。
気の合う奴が同じバスに乗っているだけで、無理なく仕事は捗るものだ。
できればどっちが上とかどっちが下とかじゃなくて、同じ目線で問題に取り組んでくれるパートナーがベターだ。
どちらかが常にリードしているような状態だとお互いに疲れてしまう。
それに、どっちかがいつも正しくて、どっちかがいつも間違ってる、みたいな心理的関係で仕事を進めると、気付かないうちに重大な問題を見過ごしてしまう危険性が高い。
分からないことでもお互いに恥を晒しあって議論できるパートナーを見つけよう。
僕の父親は若いころ社会人バレーボールのキャプテンやコーチをしていた。
そんな父親がよく言っていたことを思い出す。
「スタープレーヤーが一人居て残りが凡人のチームより、能力は並でも同じレベルのメンバーで構成されてるチームが最終的には勝つ」
今になってこの言葉がよーく分かる。
外見や成績はスタープレーヤーでも、人類としての能力値は蟻と象の身長ほどは違わない。
スタープレーヤーの得点数に多くを頼っているチームよりも、お互い対等だと理解しているメンバーたちが一丸となって一つの問題に取り組むほうが、長期的には大きな成果を生むってことだ。
余談だけど、スタープレーヤーと凡人に天文学的な能力差が出ないのは、スポーツに代表されるように人間が実際に手や身体を動かして仕事をする世界の話だ。
ちょっとこんな思考実験をしてみよう。
世界中からランダムに99人の人達を集める。
この人達の所有資産の平均や中央値はどれくらいだろう?
(このガイドを読んでるってことはあなたは何もない人の部類だから割りと簡単に想像できる可能性が高い。)
さてこの集団の100人目にビル・ゲイツを放り込もう(ウォーレン・バフェットでもいい)。
それまでに居た99人の資産額の平均や偏差は随分穏やかな数値だったのに、とてつもない大金持ちを1人放り込んだだけでデタラメな数字がはじき出される。
最初の99人の資産の合計を持ってしても、1人の大金持ちの資産額には到底及ばない。
世の中には教科書通りの数学が通用する世界と、全く歯が立たない世界がある。
こういうのに興味をそそられたらナシーム・ニコラス・タレブの不確実性を扱った本を読んでみるといい。
文体は少し読みにくいけど、すごく面白い発見がたくさんあると思うよ。
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