あとがき


 
ブラックな企業で働いていたこともあったし、そうじゃない企業にいたこともあった。
 
純日本的な企業の窮屈さも経験したし、外資系の企業でのびのびやってた時期もある。
 
本文中にも少し書いたけど、企業から企業への合間に2回ほど独立にトライして失敗した。
 
3回目のトライでなんとか軌道に乗った(今のところ)。
 
いろいろやってきたけど、みんな面白かった。
で、今が一番面白い。
 
あー、でも少しスローに考えてみて、過去の自分を思い返してみると、そのときにどんなことをやってても「今が一番面白い」って言ってた気がする。
 
僕はだいぶお気楽で能天気な部類の種族なんだと思う。
 
 
やりたくないことは相手が誰でもNOって言う(その場でNOと言いそびれることもあるから、後からNOって言うこともある。場合によっては怒られる)。
 
やりたいことは勝手にやり始める。
 
失敗しても、まぁしょうがないかと諦める。少し経って気が向いたらもう一回やってみたりするけど。
 
他人から強制(矯正)されたりするのがすごく苦手だから、命令は「提案」ぐらいに受け取るようにしている。
 
正直何かを教えてもらうのもあんまり好きじゃない。自分で調べるから放っておいてくれという気持ちのほうが強い。
 
雇用される側にいたときはいつも「自分はたまたまここに机を用意してもらった自営業者で、会社は一番のお得意さん」だと思って仕事するようにしてた。
 
それが今は本当に自営業になっただけの話だ。
 
 
どういう人物がフリーランスや起業家に向いてるかなんて知らない。
 
でも、「会社に勤める」っていう仕事の仕方はここ100年くらいの流行りなわけで、そう考えると、人間は本来自営業の方が向いてるんじゃないか?と思う。
 
だってこの流行りのせいで苦労してる人、いっぱい居ますよね?
 
 
このガイドを書くために(正直言うとほとんど書き終わった後でなんだけど)世の中的にはどんなもんかと色んなキーワードでググってみた。
 
フリーランスで独立したい人たちの弱みに付け込んでぼったくりみたいなサービスをやってる連中がいっぱいいるなぁと思った。
 
ブログ読むのに会員登録、メルマガで月に数百円、セミナー受講するのに数千円、コーチングで数万円・・・バカか、と。
 
フリーランスでスタートアップするのにお金なんてそんな要らない。
 
僕がここ2年ぐらい(つまりスタートアップしてからこれまで)で使った経費といえば、仕事の相方や見込み客と会って話すための交際費(交通費+コーヒー代)と、本を買うお金がほとんどだ。
最近は無料で使えるWebサービスが充実してるから実務に必要な打ち合わせはほとんどそれで済ませてしまうし、図書館を利用しまくってるから本当にほしい本しか買わない。
 
独立するのに誰かのカモになる必要はない(人生で歩むべき道は金で買うもんじゃない)。
可能な限り自分たちの力でやってみることだ。
 
 
無駄なお金を使わなくて済む決断は他にもあって、
 

  • オフィスは要らない。自宅で十分
  • パソコンは Mac を主に使ってる(Linux でもいいと思う)。Windows は事ある毎に金をせびってくる
  • どんなクライアントに会いに行く時もスーツは着ない。相手がスーツだろうが僕らは常に私服だ

 
最近、名刺も要らないかなと思い始めた。スタンプとかでいいんじゃないかと。そのほうが面白いし(名刺交換の時、適当な何かにスタンプをバンと押してハイって渡したらユニークじゃない?)。
 
僕らは見た目を一切取り繕わないし、逆に他の人がやってないようなことを率先してやってる。
 
単純に運が良かったと思うんだけど、僕らのそういうノリを受け入れてくれるクライアントたちにめぐり逢えたことは本当に幸せだ。
 
 
学歴、資格、キャリア、資金・・・一言で言えば「ステータス」ってやつだけど、フリーランスで仕事するのにそんなの無用だ。
 
ステータスなんて無い方が、余計な苦労や無駄な出費をしなくて済む。
 
何にもないことを嘆く人がいる。昔の僕もその一人だった。
 
でも実際に何もないことを活かして仕事してみると、こんなに幸せな働き方は他にないと思う。
 
何もないからこそできることがたくさんあるっていう事実に気付いてほしい。
 
 
何もない人は何かある人たちと競争しちゃいけない。
 
簡単に言っちゃうと世界が違う(どっちが上とか下とかってことじゃないよ!)。
 
お互いの世界を侵略しちゃいけない。
 
ちなみに「ダメな大企業を敵に回す」っていうセクションがあったけど、あれは敵をぶっ潰そうって意味じゃない。
彼らのダメさ加減を利用させてもらってるだけだ。
僕たちなりに彼らの幸運を願ってる(世界が違うから連中が喜ぶことは不可解なことが多いけど・・・)。
 
彼らの幸せと僕らの幸せは違う。それをちゃんと理解していれば利害関係がぶつかることは滅多にない。
 
 
最後に。
 
繰り返しになるけど、このガイドは僕の体験を元に書いている。
 
あなたにはあなたのやり方がある。
最初に書いたけど、気に入らない部分は聞き入れなくていいと思う。
 
これはビジネス書を読んだり、セミナーを受講するときにも言える。
 
成功した社長だろうが、MBAを取得した講師だろうが、ただの人間だ。
全部正しい訳じゃない。
 
大事なのは時間がかかってもあなたのやり方を見つけることだ。
 
成功するにしたって失敗するにしたって、他人の入れ知恵に振り回されるより、自分で納得して決めたことに従ったほうが気分がいいでしょう?
 
 
 
 
 

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目次

 
何もない人のためのスタートアップガイド

  1. 見せるのはあくまで真実だ
  2. 独学のすすめ
  3. 一人で抱え込まない
  4. ゲリラビジネス
  5. 敵の力を利用する
  6. 利益は手段だ。目的じゃない
  7. 他人の話を聞き過ぎちゃいけない

 
 
 

§1327 · By · 2月 8, 2014 ·