シリーズ記事一覧: #Unix Linux Books
 
Unix/Linux の考え方に惹かれたら使ってみたくなるのが人間の常である。
Unix/Linux には膨大な量の ディストリビューション が存在し、自分好みのものに出会うまでは一つの旅である。
なのでこの旅にはそれ用のガイドブックが必要であり、そう感じている人も多く存在するので、そういう内容のブログなどが Web 上に多数存在する。
ここでは一旦、読者が既に最初の一歩(ディストリビューションのインストール)は踏み出していると想定して、ディストリビューション選びやインストールについては割愛させていただく(いつか別の機会に)。
 
今回の話は仕事の道具箱 = コマンドラインについてである。
 
 

まずは一望。実験。そして修正


 

 
この書籍は非常に古いことを最初に断っておく。
2015 年現在、最後の改定は遥か昔なので現在はもう使うことのないコマンドが載っていたり、現役のコマンドでもオプション機能の説明が今のものとはだいぶ異なる場合がある。
 
「Unix Linux コマンド リファレンス」などのキーワードで検索すればこの書籍の他にもいろいろな種類の本がヒットすることだろう。
この本よりも最新の情報を載せている本もあるだろうし、何より Linux を使いたいなら、わざわざ Unix 用の書籍を購入するのは遠回りのようにも思える。
 
そんな中、なぜ敢えてこの書籍なのかと言うと、僕の本棚で結局この本が生き残っているからである。
また、新品で手に入れる機会はほとんどなく、購入するとすれば中古販売だろうからとても安く手に入る。
 
この本のいいところは構成がとても「クラシック」で時折ある程度のページを割いて深堀りしている点である。
僕が思うに、「勉強する」という観点では例えリファレンス本であってもあまりに簡素で実務的なものより、少し読み応えがあって古き善き時代の空気を匂わせる要素を持っているものの方がベターだと思う(完全に趣味の問題である)。
 
結局、使いたいコマンドを本で見つけたときに、その本が新しかろうが古かろうが次に行う手順は変わらない。
 

  1. まずはコマンドラインで
     
    $ man commnad
     
    

    を実行してマニュアルページを読む。man でマニュアルページが表示されなければ info コマンドか $ command --help と打ち込む。いずれにしてもまずは今現在システムにインストールされているバージョンの情報を確認する

  2. man ページや help で不明な点があれば Web で検索

 
Unix/Linux は Windows や Mac なんかよりもずっと変革の流れが速い。
なのでまともに仕事ができる環境を作っていこうと思ったら自然と常に調べる癖が付く。
 
もう一つ。
 
Unix と Linux は確かに違うものである。しかしその差が顕著になるのはシステム管理の部分であって、ユーザが普段の仕事(ファイル操作、文書の作成・管理など)で使用するコマンドはそれほど違わない。
常に調べて確認しながら道具を使っていく姿勢があれば、情報の出発点が Unix か Linux かというのはそれほど大きな問題ではない。
 
 
 

ルールをおぼえる


 

 
ひと通りつまみ食いをしてやんちゃしたあとは「何が正しかったのか・何がまずかったのか」を確認してみたくなるものだ。
そういった時にはこの本の特に前半部分にあるチュートリアルがやさしく時に厳しく我々に語りかける。
 
この書籍はコマンドラインの基本的な使い方から出発して、後半は シェルプログラミングの領域まで果敢に踏み込んでいく。
この本を手にした当時の自分を振り返ってもそうだが、最初から全てを飲み込もうと思うと食中毒になる可能性が高い。
まずは前半部分の基礎を手を動かしながらしっかり身に付けて、他の街を旅して回った後にもう一度戻ってきてみようぐらいの気持ちで取り組んで欲しい。
 
プログラマ観点で言うと、結局シェル(プログラミング)とは、
 

  1. 1個以上の空白文字をセパレータとし
  2. 行指向で命令を受理・実行する
  3. 対話型のインターフェースも持ち合わせた

 
プログラミング環境、若しくは仕事場である。
 
今まで本格的なプログラミング言語の経験や知識がなくても、Unix/Linux のコマンドラインはとても便利でしかも優秀なものなのでここは一つ根気よく取り組んで欲しい。
また、現役のプログラマも、全てを自分の得意な言語の中で完結させようとせず、臨機応変にシェルプログラミングと組み合わせて仕事を効率化してほしいと思う。
 
 
#Unix Linux Books
 
 
 

§1763 · Posted By · 2月 13, 2015 · Development, Review · Tags: · [Print]